取組好事例


2025.11.01
株式会社エーピーシィ
シルバー 製造業 安城市 31~100名
女性比率80%! 製造現場で女性が輝ける環境づくり
弊社は愛知県の製造業の一大集積地・安城市に位置しており、自動車用外装モール部品を製造する専門メーカーです。従業員の女性比率は80%と、製造業としては異例の高さを誇ります。仕事と家庭を両立しながら女性が生き生きと活躍できる職場づくりを目指し、年間休日の拡充、有給休暇取得の奨励、残業時間の削減といった働き方改革、社員のキャリア形成支援を実施してきました。
愛知県の「あいち女性輝きカンパニー」優良企業、経済産業省の「新・ダイバーシティ経営企業100選」の受賞をはじめ、取組を高く評価いただいています。
愛知県の「あいち女性輝きカンパニー」優良企業、経済産業省の「新・ダイバーシティ経営企業100選」の受賞をはじめ、取組を高く評価いただいています。
有給休暇取得促進実施内容
有給休暇の取得状況
平均年次有給休暇取得率 (※) 87.7%
※認定年度の前年度における取得率
有給休暇取得促進の取組
- ・多能工化で、欠員時のバックアップ人材を確保
- ・「有給申請ポスト」の設置
- ・残業を断れる「残業管理カレンダー」
- ・バースデー休暇、時間単位の年次有給休暇の導入
有給休暇の取得促進に取り組んだ背景を教えてください。
休みやすい職場づくりは、働き方改革の柱の一つ
働き方改革への取組をスタートしたのが2017年頃。それ以前は、従業員はすべて派遣社員やパートタイムなどの非正規雇用でした。離職率も高かったため、残された従業員に負担がかかり、残業が多く休みが取りづらい状況でした。すぐに欠員を補充したくとも、弊社は大手製造企業やその傘下の工場がひしめく安城市にあり、その中で働き手を確保しなければならない難しさもありました。
そこで着目したのが、女性の働き手です。製造業では一般的に男性労働者が中心ですが、弊社では「女性正社員が活躍できる企業」を打ち出し、女性を積極的に採用することとしました。多様性の「ダイバーシティ」、一人で複数の業務をこなす「多能工化」、そして「休みやすい職場環境」の3つのビジョンを柱に据え、同時に改革を進めていきました。
そこで着目したのが、女性の働き手です。製造業では一般的に男性労働者が中心ですが、弊社では「女性正社員が活躍できる企業」を打ち出し、女性を積極的に採用することとしました。多様性の「ダイバーシティ」、一人で複数の業務をこなす「多能工化」、そして「休みやすい職場環境」の3つのビジョンを柱に据え、同時に改革を進めていきました。
休める環境づくりのため、どのような施策を行いましたか?
欠員時に対応できるよう、多能工化を促進

弊社で、「休みやすさ」と切り離せない関係にあるのが「多能工化」です。多能工化にあたっては、一連の業務を大きな仕事の塊として捉えるのではなく、細分化することから始めました。具体的には、現場製造の直接部門で200、間接部門では400ほどの作業項目に切り分け、誰がどの作業ができるかを把握できるようにしました。これにより、従業員が休んだ場合でも、他の従業員が臨機応変に対応できるようになりました。

とはいえ、働く側からすれば、たくさんの仕事を覚えるのは大変なことです。そこで弊社では、多能工化のための人事評価制度を採用しています。さまざまな仕事ができるようになると、ほかの人が休みやすくなる。仕事をカバーした従業員は評価が上がり、給料に反映される。この仕組みにより、従業員が意欲的に新しい仕事に取り組むことができています。また、従業員のスキルアップをサポートすべく、資格取得の支援制度も充実させています。
働き手目線の「有給申請ポスト」と「残業管理カレンダー」

社内には有給申請ポストを設置しています。有給休暇を申請する際は、ポストに申請用紙を入れるだけ。上長の承認も不要です。年次有給休暇のほか、誕生日月の好きな日に1日休みを取得できる特別休暇「バースデー休暇」でも、同様の方法で申請ができます。また、時間単位の年次有給休暇制度も、認定以前の2020年から導入しており、柔軟な働き方が可能です。

残業が発生する日には、以前は上長が一人ひとりに「今日、残業できる?」と尋ねて回っていましたが、現在は残業管理カレンダーを採用しています。従業員の意見から生まれたアイディアで、残業不可の日にはあらかじめ自分で×をつけおけば、残業や休日出勤の依頼の声がかかりません。その一方で、「もうすぐお金が必要だから、この時期はたくさん働きたい」という人も、もちろんいます。休みたいときはしっかり休めて、稼ぎたいときは積極的に残業や休日出勤をして、しっかり稼げる。メリハリのある働き方ができるのが、弊社の大きな強みです。
働き方改革により、どのような効果が得られましたか?
従業員からも高評価。「働きやすさ」で差別化図る

有給休暇の取得率は、2022年から2025年まで、80%前後の高い水準を保っています。働き方改革を始めたばかりの頃は、企業説明会に出ても閑古鳥でしたが、メディアで取り上げていただく機会も増え、徐々に就職希望者が集まるようになりました。
女性正社員を主体とした組織に生まれ変わり、平均年齢も35歳と、以前に比べてかなり若返っています。2025年に実施した従業員満足度調査では、「休暇の取りやすさ」の評価が5点満点中、4.4点と高得点でした。
従業員の働きやすさに加え、採用時にはじっくり時間をかけて説明会と面接を行うことでミスマッチを防止。せっかく採用しても入ってすぐに辞めてしまう、ということもなくなりました。
女性正社員を主体とした組織に生まれ変わり、平均年齢も35歳と、以前に比べてかなり若返っています。2025年に実施した従業員満足度調査では、「休暇の取りやすさ」の評価が5点満点中、4.4点と高得点でした。
従業員の働きやすさに加え、採用時にはじっくり時間をかけて説明会と面接を行うことでミスマッチを防止。せっかく採用しても入ってすぐに辞めてしまう、ということもなくなりました。
周囲の大手企業と比較したとき、給料という金銭面だけで見ると、なかなか勝ち目はありません。代わりに、弊社では「休みやすい」「働きやすい」といった非金銭的な強みを打ち出し、差別化を図っています。
今後はさらに体制を強化し、マイスター企業のゴールド認定の水準に近づけるよう、取り組んでいきたいと考えています。
今後はさらに体制を強化し、マイスター企業のゴールド認定の水準に近づけるよう、取り組んでいきたいと考えています。